How to SING ~心に響く歌~ ⑦ メロディーと心 (2) の続きになります。
では、また「ひまわりの約束」でトライしてみますね。
前回の「一つ一つ出す」では、まず声と自分の気持ちをリンクさせるということを練習していったのですが、それがある程度見えてきたとして、
それを今度は長さやタイミングは一旦無視して、メロディーとして繋げてゆくというのを感じてみましょう。
♪どぉ〜〜〜おぉ〜〜〜しぃ〜〜〜(レ~ド~シb~)
♪どぉ〜〜おぉ〜〜しぃ〜〜てぇ〜〜〜(レ~ド~シb~ド~)
…………はいっ!・・・って感じです。分かりました?
ですよね、そりゃ。
これは一つずつ音を増やしながら繋げてゆく練習になります。
ここまでは「一つ一つ出す」の練習となにも変わりません。
次に、もう一度最初の音を出して、そのまま次の音へとゆっくり移ってゆきます。
ここで最初の音(どぉ~)から次の音(おぉ~)に移る時に、気持ちも一緒に動かして欲しいんです。「レ」から「ド」の音に移る理由(気持ち)をめっちゃ集中して感じるんです。
あっ!そう言えば、先生、最初に、「ひまわりの約束の最初の音は『レ』だけど、なんで「レ」から始まるんでしょうか?」って聞いてましたね?
そうですね^^ こう見えてちゃんと目的を持ってレッスンしてるんですよ(笑)。
ここで理由と言っても、当然国語のテストに出てくるような、「主人公が(a)と言った理由を答えよ」という理由とは異なります。言葉で言うなら、瞬間瞬間の心情と言った方が近いと思います。
声に限らず、日ごろ、僕たちは、表情や動きなども一瞬一瞬、気持ちとリンクしています。それがずれることは通常ありません。
それが、演技だったり、歌だったりの「表現活動」をしようとすると、『いつもの自分』と『表現の中の自分』の二つの枠組みが出来てしまいます。
表現をしているつもりで気持ちを昂らせて歌ってみても、「いまいちパッとしない」「素人くさい」という風になってしまうのは、「いつもの自分」の枠組みで必死になってるだけなんです。
おお、なるほど。「ああ、がんばってんなあ・・・。」ってやつですね。
そうですね^^ 表現をしようとしている「いつもの自分」というのは、理性的で頭で考えて何か答えを出そうとします。「表現の中の自分」というのは、現実的には架空の存在(演技なら役、歌なら歌詞の内容)ですが、それを通じて無意識的な自分とつながることが出来ます。
そうですね。ディープな意味で本当に感動的な表現というのはなかなか一筋縄ではいかないと思います。
まあ、でないと、そこら中にすごい歌手や役者さんがあふれまくりますからね^^;
そうですね。そうなったらすごいいいことなんですけど、現実的にはなかなか難しいですね。だから、最初からそれを完璧な形にしなきゃとか思わないで、まずは、自分の声を楽しむところから始めてほしいんです。自分の声を好きになることで、どんどん自分の核心に迫ってゆくことができます。自分の中のいろんな声(表現)を出してゆくうちに、徐々に深い部分とつながって感動的な歌につながってゆくことが出来るようになってきます。
まぁ、ムズイって思ってしまったらなかなか「これだっ!」という声や感覚に出会うのは厳しいと思います。
ピアニストは、音を奏でる時に、いちいち「この音はどんな気持ちか」とか考えて弾いてるわけではないですよね?
ただただ音に集中しているんです。頭(論理的思考)を通過させずに、感じて出すんです。そこに答えなどありません。
「Don’t think, just feel !!!」です。
さっきも言ったんですけど、「完璧なものを出さなきゃ」「答えを出さなきゃ」って思うから難しいって思うんです。
ピアニストも最初から完璧なイメージを持ってるわけではないですよね?あれこれ弾いている内に「もっとこんなふうに弾きたい!」という風にどんどん自分の音世界を作ってゆきます。
ボーカリストは自分の声をもっとちゃんと聞いて、自分の声を発声のスキルとしてではなくて、自分の気持ちの発露として「もっとこんな声出したい!」と強い欲求を持って欲しいんです。
なんとなく分かりました。・・・ようするに、アレコレ悩まずに、やってごらん…………ってことですかね^^;?
やっと話がレッスンに戻りますが、あとは、一つずつ新しく加わる音に移る時に気持ちを集中させて注意深くその高さを出してゆきます!
では、さっそく一度やってみましょう!また、ピアノが先にガイドしますね。
(新しく加わるのは「ド」)
(「おぉ」に移る時に気持ちをより集中させる)
(新しく加わるのは「シb」)
(「しぃ」に移る時に気持ちをより集中させる)
(新しく加わるのは「ド」)
(「てぇ」に移る時に気持ちをより集中させる)
ムズイっすね(・_・;)どんな風に歌ったらいいのか、迷ってしまいます……。
じゃあ、今度はピアノじゃなくて僕がガイドで歌ってみるので、その後に僕の声や歌い方、気持ちを真似する感じでやってみましょうか。
では、僕のガイドを聞いたあと、急いでオウム返しに歌うんじゃなくて、ガイドを聞いて感じたフィーリングを大切にして、新しい音に移るときの気持ちに注意しながら歌って下さい!
・・・・・・・・という感じで、「どうして君が泣くの」までを歌ってゆきました・・・・・・・・
じゃあ、今の感じで、ゆっくりと一番を全部歌ってみましょう。
無理に一つ一つって思わなくていいので、今の感覚を意識して気持ち良い方向に歌ってみてください。
・・・・・・・・Aさんが歌います・・・・・・・・
・・・・・・・・植村がピアノを伴奏して、Aさんが「ひまわりの約束」の一番を最後まで歌い切りました・・・・・・・・
…あの…、さっきのであってるのかどうか分からないんすけど………、
自分的には何かちょっと良かったのかなぁって思いました。
なんか歌ってるときに、自分の気持ちが、体の深いところから出てゆく感じなかったですか?どばぁーって感じで。
なんか充実してるというか、濃い時間というか、そんな感じですよね?
最終的には、歌をうたう人の心の状態が人に伝わるわけですが、こういう「気持ちと声を繋ぐ」トレーニングを行うことで、逆に自分の気持ちも動きやすくなります。
表現する練習であると同時に、自分の気持ちを曲の世界に深く入れてゆくきっかけ作りでもあるんです。
今までも、ちゃんと曲に気持ちを込めて歌ってるつもりでしたけど、全然違いました!
・・・っていうか、うたを歌うのに、本気じゃない意味が全くないですもんね!
いや、本気ってこういうことを言うんだって分かりました。先生とかプロの歌手とか、歌のうまい人と一体、何が違うんだろって思ってたけど、・・・いや、ホント全然違いました!
でも、歌うのってめっちゃ疲れますね。アーティストの人ってホントすごいなぁ。
今は意識を集中させることにエネルギーを使ってしまってるので、めちゃ疲れますけど、慣れてくると、すぐに曲の世界に集中出来るようになるので、しんどいというより、どんどんと気持ちよくなってきます。
やっぱりエネルギーは使いますけどね、もちろん(^^ゞ
でも、なんか分かる気がします。今は集中するのが大変でそれにいっぱいいっぱいっすけど、これが普通になってきたら曲の世界に入るのが気持ちよくなるだろうなって思います。
そうですね。まあ、僕もまだまだ歌に集中し切れないこともたくさんありますし、気持ちの持って行き方が見えたからと言っても、全て上手く行くってわけじゃないです。
でも、どんどん曲の世界に入りやすくなってきますし、歌や自分の声がどんどん好きになってくると思いますよ。
そして、音楽や歌のすばらしさというものが、ふか~いふか~い意味で感じてゆけるようになると思います。
はい!では、またレッスンでじっくりいろいろとやってゆきましょう!!!
「メロディー篇」は、ここまでになります。
いかがでしたでしょうか?
なかなか文章だと分かりにくいかなぁと自分でも思います(¯―¯٥)
でも、
「表現力がない」
「個性がない」
「才能がない」
・・・などと、かんたんに一言で済まされている部分をどうやって解決してゆくのか、私なりの方法を伝えさせてもらいました。
表現や個性などのことを考えて、やみくもに頑張ってみたところで、「必死さ」しか伝わらず、かえって痛々しくなることがよくあると思います。
「個性」なんて、それを作ろうとした時点で「ニセモノ」確定だし、そもそも頑張るものではないと思います。
結局のところ、「人間力」なのかなぁと思います。
それは、生まれ持ってのものもあると思いますし、人生の中で培うものもあると思います。
それを音楽で発揮してゆくためには、音(声)の中に自分を投げ込んでゆかないといけません。
音に、声に、どんな自分を投入できるかで、その人の歌は形作られてゆきます。
自分の今の歌は、良くも悪くもこれまでの自分を映し出す鏡なのです。
逆にもしそうでないなら、その人が歌う理由はどこにもありません。
ある一定以上のスキルがあれば誰が歌っても同じになるからです。
私は、今回のこの「How to Sing」シリーズの記事で、自分が感じていることを出来るだけ多くの方とシェアしたいと思っています。
それは純粋に私のレッスンやその考え方を知ってもらいたいからなのですが、記事を読まれた方にとって、何らかのきっかけとなれたらいいなと願っています。
論理的に「正しい」ことに向かってゆくのではなく、自分の感情や感覚に耳を傾けることがとても大切だと私は思います。
感覚や感情は不確かで、時には事実や現実と異なると感じることもあるかもしれません。
でも、そこで起こった心の動きは紛れもなく事実で、そこを見つめるつづけることが、真実へとつながるヒントとなるのだと思うのです。
今の世の中があまりにも、失敗や間違いを恐れすぎるのではないかと思います。
どれだけ高い声が出るか、とか、
どれだけ細かいフレージングが出来るか、とか、
CDの売り上げやダウンロード数、ライブの観客動員数がいくらか、とか、
○○さんが△△さんのことを歌がうまいと評価した、とか、
数字や文字で表される情報に自分の判断基準をゆだねてしまっていては、人を感動させる歌など歌えるはずはありません。
このブログの文章が分かりにくい、という方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。
もっと噛み砕いた表現が出来ればいいのですが、今の私にはこれが限界です。
ですが、実際のレッスンでは、もっと感じてもらえることがいっぱいあると思います。
結局はレッスンの宣伝かよ、って思われるかもしれませんが、もちろん、レッスンにぜひ来てほしいです。
そして、いろんな方と出会いたいと思っています。
それが今の私にとっての音楽の在り方だし、歌だからです。
この思いが多くの人に伝わればなぁ、そう願っています。
今回は時間の都合で動画は載せられませんでしたが、また時間のあるときにでもこの記事の解説動画をアップしたいと思います。
まだもう少し、この「How to Sing」シリーズは続きます(その予定です^^;)。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します!!!
Voice Lab. 代表 植 村 典 生