歌の表現力がなかなか上がらない人がすべき練習は、実は「◯◯◯」

カラオケでいっぱい歌ったり、ボイトレや歌のレッスンに通ったりして、声がしっかり出てきたら、

「じゃあ、次は表現力アップだな」

となってきます。

感動的な歌にするために、あれこれ抑揚をつけるとか気持ちを込めるとか聞きますよね?

それで上手くいく人はそれでOKですが、なかなかそういかない人も沢山います。

そういう人がどうしたら歌の表現力がアップするのか、一つのヒントをお伝えしたいと思います。

① 表現力と言われるものには色々ある

一口に『表現力アップ』と言っても、いろんな要素があります。

例えばボリューム、音色、音の長さなどを変化させることもそうですし、気持ち的な面で言えば歌詞の世界を想像することなども表現を助けてくれるはずです。

それなのにこれらを意識していっぱい練習しても、プロのような歌にならない、というか、すごく歌が上手い人とは決定的に何かが違う歌のまま、全然前に進むことができないという感覚になる人が結構います。

人それぞれ解決策は変わってくると思いますが、多くの人に共通しているのが実は『リズムの意識が弱い』ことなんです。

② 表現の中での「リズム」の役割

「リズム」って抑揚と関係あるの?って思うかもですが、歌の表現(=抑揚)の中でリズムはかなり重要な役割を担っています。

クラシックのコールユーブンゲンという声楽のレッスン本ではリズムを意識しながらメロディーを歌う練習をするのですが、

例えば、四拍子の時に

    1     2       3       4
   強 弱 中強 弱
   強 弱   弱  弱

などのリズムの捉え方が出てきます。

コールユーブンゲンの例(動画参照)

上に挙げたもの以外にもリズムの捉え方はいろいろありますし、特に現代はもっと複雑にリズムを捉えないと成立しないものも多くなっています。

ただここでは、リズムに対してボリューム変化を合わせて声を出すことが要求されているわけです。

今はあえて「ボリューム」とだけ書きましたが、音楽的に美しくするためには、音色やピッチなども絶妙に変化させなければいけません。

この練習によって、「ピッチを正確に取ること」と合わせて、声楽家としての音楽的な基礎を培うように意図されているのです。

つまり、音に強弱や音色の変化で抑揚を付けようとしても、リズムの流れを掴んでその変化を作らなければ、カッコ良くは聞こえないということなのです。

③ ポップミュージックにおける「リズム」

私たちが普段街やテレビなどでよく耳にするポップスやロックなどは、声楽などのクラシック音楽よりもさらにリズムの役割が重要になります。

これは私の意見ですが、クラシック的な世界観では、リズムとは、メロディーをより美しく素晴らしくするためにあると感じます。なので、歌い手や指揮者のフィーリンクに合わせて常にテンポルバートの状態で歌唱・演奏されます。

これに対しポップミュージックの場合、「リズム」はメロディーと対等か、それ以上と言ってもいいほど重要な存在です。

通常、メロディーに合わせてテンポが変わることはありません。常に一定のリズムをキープしながら、その枠の中でメロディーの方が動いていきます。

これは大きな違いです。

リズムがメロディーと同じかそれよりも重要だということは、ポップミュージックの中に、ラップというメロディーのない(音高の上下はあるので、高さが変化しないわけではないが音階に縛られない)音楽が存在することでも分かります。

④ リズムとは波、うねり、回転など運動をイメージさせるもの。

では、リズムをどのようにメロディーの抑揚に取り込んでいけばいいのか、ですが、リズムに関してもいろいろと動画を出しているので、また下のリンクからいろいろとチェックしてみて下さい。

歌のリズム感を鍛える ~ 「リズム音痴≠歌のリズム下手」⇒カッコいいリズムを歌で表現する方法 ~【ORION 歌の学校】
https://youtu.be/Rwte9Qu_GPE

歌のリズム感を鍛える② ~グルーブを感じる・表現する~ 最後におまけ動画あり【ORION 歌の学校】
https://youtu.be/e2wTKsC7nQI

メトロノームを使うな! グルーヴを掴む / ルバートの歌い方 ~リズム音痴から上級者まで~【ORION 歌の学校】
https://youtu.be/MOTo3iES2G0

さて、今回は、リズムを立体的にとらえて動きというか力学的な流れを感じてゆきたいと思います。

どういうことかというと、リズムを正しいタイミングの一点として理解するのではなく、流れの中での押し引きというか動きのようなものを捉えてゆこうということです。

例えば、ブランコがゆらゆらしてる感じだったり、波がざば~んと押しては返していったり、何かをぐるぐる振り回しているようなそんな感じです。

ここでは、円運動として捉えてみましょう。

僕がよく例えるのは、小学校時代などに「長縄跳び」をやったことある人は多いと思うのですが、その縄を回す役の人のような感じです。

100回連続で飛べるまで頑張るぞ的な感じで

「1,2,3,4,5,6・・・」

とみんなで声を出しながらやっていたと思うのですが、それの音楽バージョンなので、

「1,2,3,4、1,2,3,4,1,2,・・・」

「1,2,3,4」を繰り返していきます(四拍子の場合)。声を出すタイミングで縄を下に回すようにして次のタイミングまでは上で遊ばせる感じになります。

(この辺りも動画を参照下さい。)

こうして、動きでリズムを捉えることでメロディーにもうねりが出てきます。

⑤ なぜ手を回すことで歌が変わる(表現力が上がる)のか?

それは、異なる二つのリズムを感じて体を動かすことは難しいからです。

身体をテンポ120で動かしながら、テンポ110の歌を歌うなど出来るでしょうか?

よほど特殊な訓練でもしない限り普通はできません(というか私はできません)。

でもテンポ110で体を動かして同じ110のテンポの歌を歌うと今度は逆に歌が歌いやすくなってきます。

身体の動きと歌が一致してくるからです。

なので、手で円運動をするときにただ円を描くようにして動かすのではなく、声を出すタイミングで下に強くスナップを聞かせるように動かして、次の声を出すタイミングまでにはその反動で上に浮かぶような感じにします。

これがリズムのノリを掴むヒントになってきます。

これが出来れば、今度はこれを歌に合わせてやってみましょう。

(これも動画をご参照下さい)

⑥ リズムを掴むことで出すべき声の変化が見える

リズム感を良くすることが大切だということは誰もが知っています。

ですが、メロディーや感情表現の中にもリズムがあって、それがとても重要であるということを気付いている人はいったいどれだけいるでしょうか?

ここに気付けないで表現をしようとしても、何かとってつけたような、説得力の弱い歌になってしまします。

メロディーとはその曲の核心部分なのですが、リズムとは、その「鼓動」、つまり生命力の部分なのです。メロディーを聞く人の心に感動として伝えるためには、その声に自分のエネルギーをのせなくてはいけません。

それが、この「リズムを捉えて歌う」ということなのです。

このリズムに合わせて歌うことを繰り返してゆくと、「どこで強くするべきか」「どんな風に音色を変化させるべきか」「どこで音を短く切って、どこで伸ばすのか」などがだんだん見えてきます。

これはこの練習をやっているうちに必ず見えてきます。

なので、「ボリュームや音色を変化させて、アーティストの歌うのに似せて歌っているのに、なかなか似ているようで全然違う」という人は、上記の動画を参考にリズムの捉え方についてトライしてみて下さい。