『一つ一つ出す』の Vol.1Vol.2 からの続きになります。
(ぜひVol.1からお読みください。)

今回は、記事の最後に動画を載せました。

言葉で足りない部分を少しでも感じ取ってもらえたらと思います。

では、まずは、本編からどうぞ!!!

 

 

 

植村
なんか小難しい話ばっかりになってすみませんです・・・・・・。

 

歌好きのAさん
いえ、ぜんぜん大丈夫っす!

 

植村
・・・助かりますです(^^ゞ

 

 

植村
で、「歌」に話を戻すと、自分の出したい声が分からないままでは、声の出しようがありません。

 

歌好きのAさん
はい。

 

 

植村
じゃあ、「自分の出したい声はいったいどんな声だろう」って探してゆかないといけないわけです。

 

歌好きのAさん
はい。

 

 

植村
というわけで、探してみましょう。

 

 

歌好きのAさん
はい。

 

 

歌好きのAさん
・・・・・・はい?

 

 

植村
では、もう一回「一つ一つ」メロディーを分けて歌ってみましょう!

 

歌好きのAさん
えっ!・・・でもどんな声を出していいのか・・・。

 

 

植村
どんな声でもいいですよ。

 

歌好きのAさん
でも、ナルシスティックな声を出すんすよね?

 

 

植村
そうですよ。

 

歌好きのAさん
でもそれがよく分からなくて、どう声を出していいのか……。

 

 

植村
Aさん、難しく考えないで下さい。

 

 

植村
・・・・・・ってさんざん難しく話してたのは僕なんですけど・・・^^;

 

 

植村
これは頭で考えて分かるものではないです。感じてゆくしかないです。自分の中でしっくりとくる声を手当たり次第に探すんです。

 

 

歌好きのAさん
はい・・・・・・。

 

 

植村
まずはこの『ひまわりの約束』なら、オリジナルの秦基博さんの声をイメージしてもいいですし、Aさんの好きなアーティストの声をイメージしてもいいです。

 

植村
最初から答えにたどり着くことはないですから、安心して堂々と間違えてしまえばいいんです。

 

 

植村
その時に起こる違和感やピッタリくる感じに敏感になるんです。それを微調整して少しずつ答えの方向に近づいてゆけばいいんです。

 

 

歌好きのAさん
はい・・・。

 

 

植村
やりながらでないと、なかなか見つからないと思います。何回も何回も声を出してゆく中で自分の中で『あ、こういう感じかも!』という感覚が出てくるのを待つんです。

 

 

 

植村
自分の発声の状態と気持ちの集中の仕方の折り合いのつくところが必ずあります。そこを上手く感じ取って声が出せると、「あ、なんか歌が身体から外にばぁーんって出て行く!気持ちいいかも!」ってなりますよ。

 

 

歌好きのAさん
僕でもなるっすかね?

 

 

植村
なります!かならず!

 

歌好きのAさん
ボク、とても不安っす………トッテモ(・_・;)

 

 

植村
そうですよね。やっぱり、ビブラートとかテクニックを練習して出来るようになった方が聞く人にも自分にも分かりやすくていいかなぁって思っちゃいますよね。

 

歌好きのAさん
そうっすね。めちゃ思っちゃうっす。

 

 

植村
もちろんそういうことも出来るようになった方が絶対にいいと思いますし、(表現のトレーニングではなくではなく)ボイトレとしてそういうアプローチはしてゆくことはあると思いますよ。

 

歌好きのAさん
ホッ、良かった・・・^^;

 

 

植村
でも、ここは僕がレッスンの中で絶対に伝えてゆきたい所なんです。

 

歌好きのAさん
はい!

 

 

植村
生徒の皆さんがちゃんと自分の声と向き合って、それを本当に大好きになって欲しいんです。

 

 

歌好きのAさん
はい!

 

 

植村
そしたら、本当に歌やって良かったって思う時が来ると思うし、歌が一生の友達というか宝物になると僕は思うんです!!!

 

歌好きのAさん
是非ボクもそうなりたいっす!!

 

 

植村
まあ僕自身もそうなりたいって思いで、まだまだ今も修行中なんですけどね・・・。

 

歌好きのAさん
先生でもっすか!?

 

 

植村
もちろんですよ!

 

歌好きのAさん
先生でもまだまだなら、そんなの、ボクはどうすりゃいいんすか?

 

 

植村
やりたいだけやればいいんですよ。何の義務もないですし、嫌になったらやめたらいいし、またやりたくなったら復活すればいいんです。

 

 

植村
僕もただやりたくてやってるだけだし、世の中のボイストレーナーや歌の先生も、ずっと求め続けてるって人がかなり多いと思いますよ。

 

 

歌好きのAさん
そうなんすね。果てのない旅って感じっすね。

 

 

植村
そうですね。でも、どこまで行きたいかは人それぞれだし、どこが正解というのはないと思います。自分の求めるだけ進んでゆけば、自分にふさわしい音楽の世界が開けて来るんだと思います。

 

歌好きのAさん
深いっす。かなり深いっす。

 

 

植村
ほんとに・・・^^

 

植村
まあ、言葉でどれだけ言っても何も進みませんから、声出していきましょうか!

 

歌好きのAさん
はい!!!

 

 

植村
では、もう一度いきますよ。

 

 

植村
Aさん、ナルシスティックな準備はばっちりですか?

 

歌好きのAさん
はい(笑)!!!

 

 

植村
(笑)・・・ではまた僕がピアノでメロディ―のガイドを出すので、それに合わせて、たっぷりと思いっきり声を出してみましょう!!

 

歌好きのAさん
はい!!

 

 

ピアノの音
♪レの音~~

 

歌好きのAさん
どぉ~~~~、

 

 

ピアノの音
♪ドの音~~

 

歌好きのAさん
おぉ~~~~、

 

 

ピアノの音
♪シのフラットの音~~

 

歌好きのAさん
しぃ~~~~、

 

 

ピアノの音
♪ドの音~~

 

歌好きのAさん
てぇ~~~~、

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・レッスンは続く・・・・・・・・・。

 

 

 

実際のレッスンでは説明よりもっと声を出して感じてもらうことに重点を置いてレッスンを進めてゆきます。

 

 

言葉で書くと難しそうに思えるかもしれませんが、このレッスンを通じて「いつもと違う感覚」を感じ取られる方は結構多いです。

 

 

もちろん感じ取る深さの度合いは人によって異なりますが、共通しているのが「心地よさ」です。

 

 

何らかの「心地よさ」が無ければ、おそらく頭で考えすぎていたり、他者や事柄をなぞろうとしている状態です。

 

この「心地よさ」はある種のカタルシス的なものです。

 

 

このカタルシスが、表現の入り口に立たせてくれる案内役になると私は考えます。

 

 

 

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この『一つ一つ出す』レッスンは、『今この瞬間の自分になる』というものです。

 

 

 

歌唱技法や楽曲(作品)として完成形を目指すものではなく、今ここにいる自分が100%声に表出するのを目指すものです。

 

 

 

なので、一年後、ニ年後に同じことをしてみると、また異なった発見があり、より深い感覚を感じることができるようになります。

 

 

 

『一つ一つ出す』レッスンとは、自分が実際に出す声と頭の中のイメージとを繋げるレッスンです。

 

 

このレッスンで、「声」が自分の中と外をつなぐ架け橋になる感覚が見えてきます。

 

 

それは周りを一切気にせず、やりたいことを思いっきりやっている時の感覚に近いかもしれません。

 

 

 

 

とても不思議な感覚です。

 

 

時間も空間もなく、どこまでも限りなく自分。

 

そんな感じです。

 

 

 

スポーツをやっていた生徒さんと話をしてて思うのは、競技者が極度の集中をした時に起こる精神状態「ゾーン」「フロー」「フローティング」と呼ばれる感覚に近いと思います。

 

一体感とでもいうか、自分が拡大してその場を満たしている(その部屋全部が自分という感覚)というような感覚です。

 

今、自分が出そうとしている声をとことんフォーカスしてゆくことで、自分の深い部分とつながります。

 

 

ユングの言うような「集合的無意識」と繋がることで、普段は決して意識の及ばない「一体感」を感じるのかもしれません。

 

 

 

 

『声』=『自分』=『世界』

 

 

 

 

といった感覚です。

 

 

 

その状態から発せられた声は力を持ちます。

 

 

 

人の心を大きく動かすものとなります。

 

 

無意識の部分で繋がった声だからこそ、自分の中で起こった「心のさざ波」が、聞き手の心にも同じ波紋を起こすのかもしれません。

 

 

 

「歌を歌う」ということは、

 

 

高い声を出すことではなく、

 

完璧な発声をすることでもなく、

 

ピッチやリズムなどを完璧にすることでもなく、

 

 

強弱、固柔、長短、などの音声変化などを表現として駆使することでもありません。

 

 

 

 

「歌を歌う」ということは、

 

 

自分を深く知ってゆくということです。

 

声というバイブレーターを使って、自分の内面と自分の外側に同じ振動を起こすことです。

 

自分とその周りを取り巻く世界とが実は一つであると知り、その繋がりを認識することです。

 

別に変な宗教団体に勧誘する気でも、高い壺を売り付ける気もありません。

 

っていうか、いちいちこういう断りを書かなくてはいけないことをとてももどかしく思います……。

 

もっともっと、心のことや人生のことを深く話せる世の中になればいいなと思います。

 

「歌」という心に作用するものを考える時に心の在りようを考えないというのは、逆に思考の停止したおかしい状態だと強く思います。

 

歌詞に気持ちを込めたり、ミックスボイスを練習したりするのもいいですが、それ以前に、自分のことをもっと大切にして、「上手い」歌ではなく、自分にしか歌えないものを探してみてはどうでしょうか?

 

 

 

最後に、なかなか言葉では伝えるのが難しいかなぁと思ったので、動画で解説をしてみました。

 

声の見本や解説など文字を目で負うよりはずっとずっとイメージが湧きやすいかと思いますのでご覧いただけたらと思います。