今日は、体験レッスンに来られた方から
「実は、もうかれこれ20年ほど前に先生のレッスンを受けたことあるんです」
と言われました。
流石に20年前になると定期的にレッスンしてた生徒さんでないと覚えてないなぁ、と思ってたら、
「昔、○○○で先生のレッスンを……」
「ん?○○○?……あれ、なんか聞き覚えあるな。あ、昔お世話になったあの音楽事務所か!懐かしい!!」
と、当時のことを思い出しました。
もうあれから20年近く経つのかと思うと、時間の流れの早さに驚くばかりです。
だけど、20年前に教えてた彼女が今ではボイストレーナーとして活動していて、またレッスンに来てくれるなんて、とても不思議なな感じがすると同時にとても有り難いなと思うのです。
また今日は、別の生徒さんのレッスンで、
「私の知人に声が調子の良くない人がいるのですが、その方の声が少しでも良くなるように私から何か言ってあげられるようなことはありませんか?」
と尋ねられました。
具体的にその方のお声を聞いたことがないので、頭の中でその方をイメージしながら、もしトレーニング内容が合わなくても悪くなることがないような2,3のメニューを生徒さんに伝えました。
どんな効果があるのか身を持って知ってもらうためにその生徒さんに実際にそのメニューをレッスンしました。
すると、その生徒さんの声がいつもよりもクリアで自由に出ました。
「なんですか?これスゴイ!!」
別に僕が提案したメニューが魔法なわけではなく、現実的には彼女がこれまでレッスンの中で培ってきた地声と裏声をいつもと異なる(レジスター)バランスへと誘導しただけなのです(……それが巷では、ミックスボイスの出し方などと騒がれたりするわけですが(-_-;))。
お知り合いの方のことを思ったことが、結局は彼女自身の発声を改善することに繋がったわけです。
色んなことは繋がりあっているのだと思います。
その大きな繋がりの中に自分も居て、自分の細々とした想いや行為が全体になにがしかの影響を及ぼしているのです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、これをどこまで味わえるのかが人生をより深くしてくれるのかなと思っています。
20年ぶりにまたレッスンに来てくれたり、誰かを思う気持ちがその人を始めどんどんと他の人の声に良い影響を与えていたり(その日は他の生徒さんにもそのメニューを試して良い効果がありました)……。
縁。
その日その時の一瞬一瞬に、自分の気持ちを載せて生きてゆけば自ずと物事は進んでゆくのかなと思いました。
今日は、自分の声にも同じようなことを感じました。
自分が練習のときに出している声もその一声一声に命を懸けることで、歌が生きてくるんだ、そう気づきました。
これからはそんな風に歌ってそんな風に生きてゆきたいと思います。