ここでは、ボイスラボでどのような歌のレッスンをしているかを書いてゆきます。

 

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ボイスラボでの歌のレッスン、それは結局のところ、私自身がどのようにして歌をうたっているのかというのを伝えることになると思います。

感覚的な内容なので、どうしても抽象的な表現になりがちですが、出来るだけ分かりやすい言葉で書いてゆきます。

さて、ここで言う『どのようにして』は、ビブラートや強弱などのような「歌唱技術」についてではなく、『歌をうたうときの気持ちや心の集中』について書いてゆこうと思います。

 

歌の細かい技術や発声の訓練の方法は世の中に(玉石混淆ですが)情報が溢れかえっています。

 

それに対して、歌の気持ちの集中の仕方(感情移入など)は、なかなか的を得たものを目にしません。

 

一番よく見るのが『歌詞に感情を込めて!』といったものです。

 

学校の音楽の授業や、テレビのドキュメンタリー番組、オーディション番組などで、そんな指導を見たり聞いたりしたことはないでしょうか?

 

歌詞を読み込んで、そこに込めるべき感情を自分の中で探ることは、良いことだと思います。

 

でも、「歌の世界に入ってゆくこと」と「歌詞に気持ちを込めること」とは全くの別物であると私は考えています。

 

「日常とは違う特別な感覚に入る」という意味においては、アプローチの違いはあっても本質的には同じだと言うことも出来ます。

 

ですが、音楽本来の在り方からは離れたものであり、「歌詞の意味を頭で考えることによって、逆に音楽的な衝動から遠ざかっている人」がとても多いように思います。

 

歌詞の存在が、楽器奏者と歌手を分ける大きな要因となっているとは思いますが、歌も音楽である以上、音楽における表現の在り方がとても重要だと私は考えます。

 

今回の記事は自分の体験を軽く紹介するに留めて、次回より色々と詳しく書いてゆきたいなと思っています。

(タイトルの「How to SING」は、私の昔の体験から付けさせてもらいました)

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今から15年ほど前、結婚式で歌う仕事でたまたま同じ現場にいた黒人のミュージシャンの方が、私が歌っているのを聞いて

 

「He knows how to sing !!」

 

 

と言ったそうです。(後で事務所の方より教えて戴きました^^;)。

その時、私は事務所からのオファーで平井堅さんの曲を弾き語りしていました。

 

別にR&Bの曲をノリノリで歌ったわけでなく、つたない私のピアノで日本語のバラードをしっとりと心を込めて弾き語りしたのです。

 

それを聞いて彼がつぶやいたのは、

「He sings very well !」
(彼はとても歌がうまい!)

ではなく、

「He knows how to sing !」
(彼は歌うことを知っている!)

 

でした。

 

当時、音楽の経験も実力もまだまだ未熟な私ではありましたが、歌における重要な『何か』を知っている、という強い確信がありました。

 

歌う時は常にそれを感じて歌っていたのです。

 

「彼はそれに気付いてくれたんだ!」

 

そう感じて嬉しくなったのです。

 

「高い声が出せる」

「音程・リズムが正確」

「ビブラートがかけられる」

「強弱がつけられる」

「アドリブやフェイクが出来る」

………………。

 

 

 

こういう歌は「He sings very well !」なのです。

いわゆる「巧い歌」です。

もちろんそれが悪い訳ではなく、ならないよりはそうなった方がずっと良いと思います。

ですが、それは歌の本質ではありません。

では、歌の本質とは何でしょうか?

「巧い歌」ではない「He knows how to sing !」な歌とは、一体どんな歌なのでしょうか?

 

思いつくまま書いてゆきますので、まとまりのないものとなるかもしれませんが、次回から色々と書いてゆきたいと思います。

どうぞお楽しみに!!!